どこよりも早い?カープグッズ2022カタログレビュー
毎年恒例の広島カープグッズカタログが届きましたので、MDビジネス視点でレビューをしたいと思います。
- カタログ制作の負荷について
- カープカタログの特徴
- EC以外の受注方法って必要?
最近ではECサイトの認知度が増してきたこともあり、グッズカタログを制作する球団も減ってきています。そのようなおりに、ここまで強力なカタログを毎年制作するカープ球団には本当に頭が下がります。やはり、紙媒体の俯瞰性や一覧性、所有の喜びを満たしてくれる点は、今のWeb技術では到底かなわない特筆すべき優位点だと感じます。
肝心の商品たちはといえば・・・、ここでは、触れません。商品欄は皆さんぜひカタログを取り寄せて中身を見てください。もはや、感動の域なのであります。
【カタログ制作の負荷について】
実は私が某球団のMD責任者をしている時、その球団のカタログ制作を止めました。カタログ制作は球団スタッフにとって大変な負荷がかかるもので、その費用対効果は??が残るものだからです。一つのエピソードを紹介します。
球団MDビジネスは例年シーズン開始とともに始まり、シーズン振り返りのAWARDで終了します(最近はこの限りではなくなりつつありますが)。開幕で多くの新商品を投入し、売上の盛り上がりを感じ、スタッフはホッと一息をつくわけですが、なぜか毎年開幕直後の春先の売上が低迷するという疑問がありました。
動員数が下がるシーズン序盤の球場ショップなら理解もできますが、ECなども同様に下がるのです。新商品がたくさんあり、店先も華やかなのにも関わらず・・・です。
その答えは、私にカタログ制作を止めることを考えさせるきっかけとなったものでした。それは、MDスタッフがカタログ制作に全精力を使うようになってしまうため、商品企画やプロモーションに手が回らなくなることで、新商品の投入サイクルが間延びしてしまうことが原因でした。もちろんそれだけではありませんが、それだけ球団スタッフにとっては負荷が掛かる作業なのでした。
この負荷を乗り越えて、カタログを作り続けてくれる球団MDスタッフの方には本当に脱帽します。いちファンに戻ってみると、カタログを眺めることのなんと楽しいことか・・・。猛省します。
【カープカタログの特徴】
さて、肝心の広島カープのグッズカタログですが、以下のような特徴を感じました。
- ユニフォームが後半にあり、ページ数も最小限である
- ロケ写真の圧倒的な多さ
- 縦書き中心
- FAXオーダー、メールオーダーもあり
球団グッズといえば、ユニフォームとアパレル、タオルなどが主力であり、多くの球団カタログはここからスタートするものと相場が決まっていますが、毎年楽しみにしているグッズファンにとっては、『新しいもの』がみたいんですよね!なるほどです。
台割を作って商品集めて、コメント付けて・・・それだけでも大変なのに、多くの商品に使用感や使用フィールドが伝わるロケ写真がふんだんに使われています。お金も時間もかかってますね!
縦書きの良さは文章の読みやすさ。一方で数字や英文字は読みにくくなります。正確性が重要な寸法や型番などは横書きを取り入れていて、とても読みやすく仕上がっています。
【EC以外の受注法って必要?】
FAXやメールでのオーダーって在庫管理や事務局作業が天文学的に多いのです。在庫切れのごめんなさい連絡と返金対応・・・考えただけでも背筋が凍ります。費用対効果を考えれば、間違いなくストップです!でも、インターネットって全年齢対応じゃないんですよね・・・。さすがです。
私はカタログ制作を止めることに遡って、事務負荷の高いメールオーダーとFAXオーダーも止めました。多くのファンの方、特に年配の方から、残念だという声をいただき、本当に心苦しく思ったことを思い出します。
あれから、10年以上も経ち、EC化率も大きく上がった昨今。もはや、後戻りすることは無いだろうと考えていましたが、ここに来てコロナ。カープさんはこのことを読んでいたのでしょうか?
まとめ的なもの
毎年驚きと新たな気付きを与えてくれるカープグッズカタログ。カープグッズがなぜ好かれるのか、それはデザインや色、アイディアだけではない、『こだわり』と『まごころ』なんだろうなぁとあらためて感心した次第です。カープファンでないあなたもぜひ、味わってみて!
Aki
※転載を禁じます
※コメントや質問などは『お問い合わせ』よりお願いいたします。