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球団MDの行方

2020.12.01
選択のとき

球団MD(マーチャンダイジング)ビジネスはどこへ向かうのだろうか? なんとも、シリアスな写真掲載で恐縮ではあるが、直近のニュースから今後のMD事業の方向性を考察してみたい。

 

  • 球団MDは二極化の傾向
  • ECの重要性がさらに増していく
  • まとめ的なもの

 

 

【球団MDは二極化の傾向】

 

二極化とは以下の方向性である、

 

  1. 社内体制の強化
  2. 外部パートナーの積極活用

 

MDビジネスをコア事業のひとつと定め、多くのリソースを注入し強化を図る球団はある。ディズニーランドに代表されるコンテンツ活用ビジネスにおいて、MDビジネスは主軸事業のひとつであることは間違いなく、チケットなどと異なり、いわゆる売上の『天井』が無いビジネスと捉える向きもある。

 

しかし、そのような球団は少数派かも知れない。多くの球団はメリットは理解しているものの、リソース不足やコストの高さ(利益率の低さ)から、アクセルを踏むのに躊躇しながら、試行錯誤されているように思える。

 

もう一方の方向性は拡大基調だ。

 

Jリーグ球団である清水エスパルスが自社のMD事業について、10年という長い契約期間でパートナー企業に託すという決断を発表した。さらに元をたどれば、2019年には福岡ソフトバンクホークス、2020年には北海道日本ハムファイターズが同様の取り組みを発表している。

 

長期に渡ってMD事業をパートナーに任せることは、球団ビジネス全体にとって様々な変化と覚悟をもたらすことになる。最大のメリットは、MD事業に関わるリスクやコストを固定化できることに尽きる。

 

一方で社内にMD事業に関する大半の経験値の消失という覚悟も背負うことになろう。

 

 

【ECの重要性がさらに増していく】

 

2020年3月頃から日本を覆った感染症禍の事業運営は、球団のMD事業だけでなく、ファンとの関わり含めた事業全体の考え方も変えつつあるかも知れない。アマゾンや楽天市場の事業伸長のニュースを待つまでもなく、多くの球団でEC事業が大幅に伸びたであろうことは想像に難くない。

 

また、球団以外のフィールドでも、IT補助金などの助成もあり、中小規模の事業者のECへの取り組みは、弊社におけるECサイト構築の相談・依頼件数の伸びからも、2020年以降着実の伸びているという実感がある。

 

 

 

まとめ的なもの

 

これは筆者の想像の範囲だが、EC含めて外部パートナーに丸投げを決めてしまった球団は、EC事業の伸びにこの社会環境を活かせなかったことを悔やんでいるかも知れない。一方で、この事業を自社のコントロール下に収めていた球団は、思わぬ特需にECのパワーを再認識したことだろう。

 

今後も球団MDにとって、ECは活路として役割の重要さを増すことは間違いなさそうだ。

 

Aki

 

 

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